使用者(会社)は、労働者(社員、従業員)が業務上で災害(負傷、疾病)を被った場合、
使用者はその原因に過失がない場合であっても、被災した労働者に一定の補償する義務が課されています。
(労働基準法第75条以下)
しかし、使用者は誰でも、いつでも補償義務を履行できるとは限りません。
そこで、国は被災労働者が援護を受けたり、社会復帰に向けた補償を確実に実施されるよう保険制度を
整えました。その根拠法が労働者災害補償保険法で昭和22年に施行されています。
使用者が保険料の全額を負担し、保険給付は直接、被災労働者に行われています。
補償の対象を大別すると以下のとおりです。
休業 | 休業開始後4日以後、平均賃金相当額の60%を補償 |
療養 | 必要な療養または療養の費用を補償 |
障害 | 障害等級に応じて平均賃金相当額の1,340日分(1級)~50日分(13級)を補償 |
遺族 | 平均賃金相当額の1,000日分を補償 |
葬祭料 | 平均賃金相当額の60日分を最低補償 |
労働者災害補償保険法は、その後順次、内容充実を図る改正の結果、現在では通勤災害の補償や
社会復帰促進等事業が加わり、労働者の福祉の増進に寄与する制度となっています。